脳に重大な欠陥を負ったヨタモノ

TRPGとかTCGとか仮面ライダーとかソシャゲとか…

【インセイン】トロイメライ

タイプ:協力型
リミット:3
プレイヤー人数:2人

シナリオの舞台
このシナリオは、「本当は怖い現代日本」のセッティングを使用します。

背景
PC①は、カルト的人気を誇る幻の同人誌を手に入れました。
しかし、その本は書かれていることが現実になる呪いの本だったのです。
身の回りで起きる怪現象。迫り来る死の気配。
命を掛けた同人誌制作の夏の始まり始まり……。

 

 

狂気
『インセイン』から【疑心暗鬼】、【広がる恐怖】、【盲目】、【絶叫】、【挙動不審】、【恐怖症】を、『デッドループ』から【なぜ自分だけ?】、【歪んだ心】を各一枚用意します。

導入フェイズ
このシナリオの導入フェイズは、以下の通りです。
●シーン1 幻の同人誌
 このシーンはマスターシーンです。
PC①②共通です。
PC①②は友人です。この日、PC①は幻の同人誌を入手したとのことでPC②を誘って鑑賞します。
少々絵が古いが、透明感のある絵と良く練られたストーリーからカルト的人気を誇る理由がうかがえる。
最終的に主人公は、奴隷として買った少女に自身を殺すように嘆願し、少女はこれを葛藤の末、了承。
主人を絞め殺したあと、少女も手首を切って死亡する悲劇的な話となっている。

●シーン2 悪夢
 このシーンはマスターシーンです。
PC①②共通です。
シーン1から数日後。PC①②は夜ごと夢を見ます。
どことも知れぬ館。
草木も眠る丑三つ時にPCたちの首を絞める者がいます。
金縛りにあったように動かぬ体。霞む視界の中、自分の首を絞める白い腕……。
意識を失う、そう思った瞬間に夢から覚めるという悪夢です。
PCたちは《夢》で恐怖判定を行ってください。
これは不思議なことにPC①②ともに同じ夢を見ているようです。
 シーン終了時に「同人誌」、「奇妙な夢」のハンドアウトを公開してください。


メインフェイズ
このシナリオには、以下のマスターシーンが発生します。

●シーン1 侵蝕
毎サイクル、PCたちの行動が全て終わった後に挿入します。
このシーンはPCたちが悪夢を見るシーンです。
導入フェイズで見た悪夢と同じ内容ですが、徐々に夢は現実感を帯びてきます。
自分を絞める人物の息づかいや手から伝わってくる凍えるような冷たさ。
目覚めた後、鏡を覗くとPCたちの首筋に手で絞められた痕がハッキリと残っています。
《緊縛》で恐怖判定を行ったあと、【生命力】を1点減らしてください。

●シーン2
コインロッカーに行くと宣言したシーンです。
PCがロッカーの扉を開けます。
内部には以前見た同人誌が置かれています。
手に取ると、ほのかに人肌の温かさが残っています。
まるで誰かが今まで同人誌を触っていたかのように……。
《手触り》で恐怖判定を行ってください。

 

クライマックスフェイズ
3サイクル目が終了すると、クライマックスフェイズになります。
PCたちがプライズ「同人誌」を取得していない場合→PCたちは悪夢の中で首を絞められ意識を失い、二度と現実で目覚めることはありません。セッション終了です。
PCたちがプライズ「同人誌」を取得していた場合→戦闘を行います。
PCたちは、未完の同人誌を完成させ死を回避するような内容に書き換えようとします。
どのような内容か、確認してください。
PCたちが同人誌を書き換えようとすると、温度が急激に下がったような錯覚を覚えます。
気づくとPCたちは、もはや見慣れた見知らぬ館にいます。
いつもと違う点は3つ。
体が思い通りに動く点、手に同人誌を持っている点。
そして、床に、壁に、天井に無数の白い腕が生えている点。
イソギンチャクのように密集した、数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの有機的な腕。腕。腕。
命を掛けた同人誌制作の始まりです。
戦闘になります。白い手の怪異のデータは「地獄の館」(『インセイン』p246)のものを使ってください。
怪異の【生命力】を0にするか、儀式「マンガの書き方」を成功させると戦闘は終了し、現実に帰還します。
PCたちが書き上げた内容通りの自体が起こり、気づくと夢を見る前の場所と時間です。
手には書き上げた内容の同人誌があります。


ハンドアウト
●PC①
使命
あなたは、偶然手に入れた同人誌をPC②と鑑賞した。素晴らしい出来の同人誌だが、
それを見て以降、夜ごと眠るたびに悪夢を見るようになった。あなたの【使命】は、
“奇妙な夢”の謎を解き明かすことだ。

秘密
ショック:なし
あなたは、悪夢に侵されている。身の回りでは奇妙なことが頻繁に起こっている。
一人しかいない部屋のはずなのに視線を感じる。吐息が感じられる。この奇妙な現象が起き出した
のは、ある同人誌を鑑賞してからだ。
怖くなったあなたは、プライズ“同人誌”を
駅前のコインロッカーに隠した。この【秘密】を獲得した者は、手番を消費して
プライズ“同人誌”を獲得することが出来る。

●PC②
あなたは、PC①からの誘いで同人誌を鑑賞した。
それを見て以降、夜ごと眠るたびに悪夢を見るようになった。あなたの【使命】は、
“奇妙な夢”の謎を解き明かすことだ。

秘密
ショック:なし
あなたは、悪夢に侵されている。身の回りでは奇妙なことが頻繁に起こっている。
一人しかいない部屋のはずなのに視線を感じる。吐息が感じられる。この奇妙な現象が起き出した
のは、ある同人誌を鑑賞してからだ。
ところで、全く関係ないが、あなたは以前同人誌を作った経験があり、アナログのマンガの書き方を知っている。
あなたは、儀式シート“マンガの書き方”を獲得している。別紙参照。


●奇妙な夢
概要
件の同人誌を読んでから見るようになった奇妙な夢。はっきりと覚えてはいないが、
首を絞められているような息苦しさを味わったような…

秘密
ショック:全員
身の回りで起こっている怪現象は同人誌上で起こっていることである。
同人誌の登場人物は物語の中で2人とも死んでいる。このまま、同人誌が現実となるとしたら
あなたは…

●同人誌
概要
PC①が偶然に手に入れた同人誌。
絵柄が古く時代遅れ感があるが話と画力は鬼気迫るものがあり、読む者を圧倒する。

『「こちらが“家具”になります。売れ残って一年ほど経つので、そろそろ廃棄を考えていた
んですよ。インテリアとしてお部屋に飾っていただくのもおすすめです。」
あなたがその“家具”を見やると、少女は弱々しくあなたを見上げた。』
冒頭より

秘密
ショック:全員
タイトルは「ソーダ水に沈む恋」
ふとしたことから奴隷の少女を買った男とのラブストーリー。はかなくも美しい恋愛模様が描かれ
ている。病に侵された男は少女に自分を殺すように頼む。男の首を絞め、冷たくなっていく男の体温
を悟り、少女は手首を切って死んだ。
ごく一部の人間にカルト的人気を誇る幻の奇書。
また、2chのオカルト板では、読んだ者が死ぬ呪われた本だと噂されている。作者の名前は加賀谷 昭。
加賀谷 昭のハンドアウトが公開される。

●加賀谷 昭
概要
同人作家。ここ10年ほどは活動していないようだ。
その透明感のある絵と良く練られた感動の話を融合させた同人誌により、
一部の界隈に今なお語り継がれている作家。

秘密
ショック:全員
10年前に既に死んでいる。死因は絞殺。
自室で何者かに絞殺された後、手首を切断されていた。奇妙なことに、10代の少女の物と見られる
手首も自室から発見された。自室は内側から鍵が掛けられており、密室状態だった。
その猟奇的な事件とミステリアスな状況から様々な憶測が飛び交った。

●例の同人誌
概要
プライズ。

ショック:全員
以前見たときは、少女と男の物語のはずだった。
しかし現在見ると2人の人間たちが呪われた本を読んだことで精神的に追い詰められ、
正体不明の怪異に殺されようとしている。
同人誌内では、本を読む人の死角から白い手が伸びて今にも首を絞める場面で終わっている。
現実のあなたがバッと振り返っても何もない。
《第六感》で恐怖判定を行う。
何故か残り数ページ白紙となっている。
結末はまだ書かれていない…

 

●儀式シート「マンガの書き方」
概要

マンガの書き方。シートに書かれた手順の通り(1→2→3→4)に
指定特技を成功させることでマンガが書ける。
この儀式は複数の人数で協力して行っても良い。

 

段階  手順の名前        指定特技

1    下書き          メディア 

2    線画           芸術

3    ベタ塗り・トーン     情景

4    吹き出し・文字入れ    我慢